ABA(応用行動分析学)とは?
ホームページをご覧いただきありがとうございます。 私たち Cremo は、お子さま一人ひとりの可能性を最大限に引き出すため、「ABA(応用行動分析学)」に基づいた支援を大切にしています。
ABAは決して難しいものではなく、「人の行動と学習のしくみ」を科学的に解き明かし、それをお子さまの成長サポートに応用する、 とても前向きで、建設的な方法論です。
ここでは、ABAの基本的な考え方をご紹介します。
ABAの基本:「ほめる」ことで行動を増やす
ABAと聞くと「行動を正す」というイメージがあるかもしれませんが、私たちが最も大切にしているのは、その逆です。
お子さまの「望ましい行動」や「できた!」瞬間に注目し、それを「ほめる(強化する)」こと。これがABAの核となる考え方です。
例えば、
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お友達に「かして」と言えた
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靴を自分で履こうとした
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静かに座って課題に取り組めた
そうした瞬間に、すかさず「今できたね!すごい!」「(笑顔で)うんうん!」と認める(=ほめる)ことで、お子さまは「この行動をすると、良いことがあるぞ」と学びます。
その結果、その「望ましい行動」が、自然と増えていく。
「行動」が増える仕組み 〜ABC分析〜
ABAでは、お子さまの行動を「ABC」の3つのステップで考えます。
A:行動のきっかけ
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行動が起きる「直前の状況」です。(例:YouTubeが見たいが、見せてもらえない)
B:行動
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お子さまが「実際にとった行動」です。(例:泣きわめいたり暴れる)
C:行動の結果
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行動の「直後に起きたこと」です。(例:YouTubeを見せてもらえた)
このとき、「C:行動の結果」が "本人にとって嬉しいこと" だったので、お子さまは「(A)『YouTubeを見せてもらえない時』には、(B)『泣きわめいたり暴れる』ことをすれば、(C)『YouTubeが見せてもらえる』」というルールを学びます。
このように行動の後に自分にとって良いことがあった結果、行動が増えることを強化と言います。
よって "望ましい行動を増やすため" の強化を行うことが重要です。例えば、お子さんが望ましい行動をした際に、一緒に喜んだり、褒めたり、ご褒美を与えたりすることで、その行動を強化することが大切です。
ABA支援の3つの特徴
1. スモールステップで「できた!」を積む
難しい課題も、細かく簡単なステップ(スモールステップ)に分解します。 「靴を履く」という課題なら、「①靴を持ってくる」「②座る」「③足を入れる」「④マジックテープを留める」のように分け、一つひとつの「できた!」をほめていきます。 小さな成功体験を積むことで、お子さまの自信とやる気を育てます
2. 「なぜ?」を考える(問題行動への対処)
もしお子さまがかんしゃくを起こしたり、手が出てしまったりした時、私たちは「ダメ!」と叱るのではなく、「なぜ、その行動が起きたのか?」をABC分析で考えます。
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「うまく言葉で伝えられなくて、もどかしかったのかもしれない」
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「注目してほしかったのかもしれない」
その行動の「理由(機能)」が分かれば、叱る代わりに「別の方法(望ましい行動)」を教えることができます。 (例:手が出る代わりに、スタッフの肩をたたく方法を教える)
3. 「できた」を記録する(客観的な評価)
「なんとなく良くなった」ではなく、「どの行動が」「どれくらい増えた(減った)か」をきちんとデータ(記録)で確認します。 データで成長が目に見えることで、支援が正しく機能しているかを確認し、もし上手くいっていなければ、活動をすぐに修正することができます。